日本のアンチエイジング医学の第一人者・満尾正さんに体の糖化について解説してもらう本シリーズ。最終回の第4回のテーマは「糖化を防ぐ食べ方」。食べる順番・加熱調理方法・おすすめ食材など、さまざまな観点から血糖値上昇を抑える秘訣について、日本テレビホールディングス・古市幸子が迫った。

<満尾正さんプロフィール>
満尾クリニック院長。ハーバード大学で栄養学を習得した日本のアンチエイジング医学の第一人者。1982年、北海道大学医学部卒業。内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療に従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、キレーション治療とアンチエイジングを中心としたクリニックを2002年赤坂に開設、2005年広尾に移転、現在に至る。著書に「食べる投資」アチーブメント社など多数。

血糖値上昇を抑える!糖化を防ぐ食べ方は「ベジファースト」

━━糖化を防ぐために大切なことはいろいろあると思うんですが、なかでも食事が大事なんですよね。

はい。「どういう食材をどういう順番で食べるか」がすごく大事になってきます。たとえば、食事の前にケーキやお菓子を食べるのは論外。

「ベジファースト」という表現もあるように、要は野菜から食べましょうという、おかずから先に食べて最後にご飯物を食べましょうということですね。

━━糖化対策としてまず実践した方が良いのはその「ベジファースト」なんでしょうか。

そうですね。野菜などのおかず類を食べてからパンやご飯を食べたほうが、血糖値の上がりがゆったりしたものになります。

特に、キノコは活用していただきたいです。スーパーに行くと常に10種類ぐらい売ってますよね。キノコは食物繊維が豊富なので、血糖値の上がりを非常にゆっくりにしてくれる大事な食材です。

食物繊維がカギ!最初に野菜を食べると消化吸収が穏やかに

━━最初に野菜を食べることで、体のなかで何が起きて、血糖値が上がりにくくなるのでしょうか。

たとえばご飯を最初に食べると、消化吸収されやすいので腸の中でどんどん分解されてグルコースとして吸収され、血糖値が上昇しやすくなるんですね。そこで野菜と一緒に食べれば、野菜に含まれる食物繊維が吸収過程をゆっくりにしてくれます。

だから食事の最初の1口、2口でもいいので、ご飯ではなく野菜などのおかずから食べると、血糖値の上昇を抑えることができます。

━━最後までご飯を食べるのを我慢しなきゃいけないわけではないんですね。

はい。そういうことではありません。

食材の加熱温度が低い料理でAGEsの摂取量を抑えよう

━━糖化を防ぐ食べ方として、ベジファースト以外にも気をつけることはありますでしょうか。

食べ物を調理する温度ですね。加熱調理温度が上がれば上がるほどAGEsが増えることがわかってます。

生ものはAGEs(終末糖化産物)がほとんど含まれていません。生ものの次にAGEsが少ない調理方法は、順に「蒸す」「煮る」「揚げる」「焼く」。たとえば蒸す場合の加熱調理温度は95度程度ですが、焼く場合は300度程度になります。

ただ「AGEsが多い調理方法で作られた料理を食べてはいけない」ということではありません。「蒸し鶏は多めに、焼き鳥は少なめにする」といった工夫をされると良いと思います。

納豆に山芋…ネバネバ食材のムチン成分が糖化を防ぐ!

━━糖化を防ぐ食べ方として、ほかにも気を付けることはありますでしょうか。

納豆や山芋などネバネバした食品をうまく活用していただきたいです。ネバネバしている「ムチン成分」が、血糖値の上がりをゆっくりしてくれることが知られています。

━━ネバネバしている食材はすべて同じなんでしょうか。たとえば納豆は大豆、オクラは野菜で、全然違う気がします。

同じと考えていただいて良いです。ただ海藻類の摂り過ぎには気を付けていただきたいですね。ヨウ素の過剰摂取になってしまって甲状腺機能が低下してしまいますから。

━━ネバネバ食品のおすすめの食べ方ってありますか。

私の好物に「納豆ぶっかけそば」というものがあって、これは糖化しにくい食材で作られています。

そばはポリフェノールやルチンが含まれていて、血糖値が上がりにくい代表的な食材です。また、納豆のネバネバ成分も血糖値を上げにくい働きを持っています。

━━納豆ご飯は、糖化に対してはどうでしょうか。

もちろん、ご飯だけを食べるよりも納豆と一緒に食べるほうが良いと思いますよ。

できるものから取り入れてみよう!糖化を防ぐ3つの食べ方

━━では最後にまとめとして、糖化を防ぐ食事の3つのポイントを教えていただけますか。

まず1つ目が、食べる順番をベジファーストにすること。そして2つ目が、食材の調理温度ですね。生ものがベストですが、蒸す・煮るなども安全な調理方法といえます。3つ目がネバネバ食品を活用すること。私のおすすめは納豆と山芋です。

━━4回にわたって糖化について学んできましたが、現代人はみんな糖化に気をつけたほうが良さそうですね。

そうですね。「血糖値を上げやすい食材=おいしい」ということになってきています。そこには弊害がついて回りますから、気を付けていただきたいですね。

━━怖い病気につながるのも本当に良くないと思うんですが、肌がこわばったり体のあちこちが痛くなったりするのも嫌ですよね。

はい、おっしゃるとおりです。気をつけてくださいね。

(『コンディショニングイノベーションLab公式』より抜粋・再構成)


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