アンチエイジング医学の第一人者・満尾正さんに、賢いアブラとの付き合い方を伺う本シリーズ。第4回目は、アブラに関する素朴な疑問を解消する。オメガ3脂肪酸はどれくらい摂ればいいのか、少しでも健康的に揚げ物を調理するには何のアブラがいいのか……。番組に寄せられたさまざまな疑問を、日本テレビホールディングス・古市幸子が質問した。

<満尾正さんプロフィール>
満尾クリニック院長。ハーバード大学で栄養学を習得した日本のアンチエイジング医学の第一人者。1982年、北海道大学医学部卒業。内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療に従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、キレーション治療とアンチエイジングを中心としたクリニックを2002年赤坂に開設、2005年広尾に移転、現在に至る。著書に「食べる投資」アチーブメント社など多数。

Q.オメガ3脂肪酸はどれくらいの期間摂るといい?

━━まずは30代女性からの質問です。「オメガ3脂肪酸はどのくらい摂り続ければ効果が出ますか」。

赤血球には寿命が約120日あって、4か月ぐらいでターンオーバーで生まれ変わるんですが、赤血球の膜にオメガ3脂肪酸が行き渡るためには最低でも3か月ぐらいかかります。

そして、赤血球の8割ぐらいが入れ替わると、体調にも変化が出始めると栄養学的に言われています。

そう考えると、オメガ3脂肪酸のサプリを摂ったり食生活を変えたりしていただいて、3か月は見ていただかないといけないと思います。長期戦ですね。

「今日さばを食べたから明日こんなに変わる」というものではありませんから、気長に細く長く考えていただけたらと思います。

Q.オメガ3脂肪酸を摂ることで変化が起きた例は?

━━先生のところにいらっしゃる患者さんで、オメガ3脂肪酸を取り続けて顕著に変化が起きた例はありますか。

1番わかりやすいのは肌ですね。50代半ばの男性で社長をしている方が、仕事柄いろいろな人に会うので吹き出物に悩んでおられました。

それで血液を調べたら、案の定オメガ3脂肪酸が不足していたんですね。それでオメガ3脂肪酸を摂っていただいたら、3週間ぐらいで吹き出物が消えて、大変喜んでおられました。

Q.オメガ3脂肪酸は朝と夜どちらで摂るのが効果的?

━━続いて「オメガ3脂肪酸を多く含む食べ物は朝と夜どちらで摂るのが効果的ですか」という質問です。

アブラはいつ摂っても同じです。「夜に摂らなきゃいけない」とか、そういうものではありません。摂れるときに摂っていただけたら。

━━「運動する前に摂ったほうが良い」「寝る前に摂ったほうが良い」などもないんでしょうか。

水溶性の栄養素は摂取してから3〜4時間で体外に出てしまいますが、アブラはそうではなく、体に蓄えられます。ですから、朝でも夜でもお好きな時に召し上がってください。

Q.オメガ3脂肪酸のサプリメントを選ぶときの注意点は?

━━続いては60代の男性からです。「オメガ3脂肪酸のサプリメントを選んだり飲んだりするときの注意点があれば教えてください」。

サプリメントを選ぶときは、医者やサプリメントに詳しい専門家の方の意見を参考にして、製品のクオリティを確認されることをおすすめします。

オメガ3脂肪酸は魚から摂ることが多いですが、その魚が汚染されている場合、汚染物質も一緒に製品化されてしまう場合があるんです。

ですから、値段の安い物には気を付けていただいて、製品のクオリティをよく確認されることをお勧めいたします。

Q.子どもにもオメガ3脂肪酸の食べ物を摂らせたほうが良い?

━━続きまして30代の女性からです。「4歳児の母です。このくらいの子どもにもオメガ3脂肪酸を含む食べ物を多く摂らせた方が良いでしょうか」。

もちろんです。頭の良いお子さんに育てたいのであれば、魚中心の食生活が一番良いと思います。

━━脳はアブラでできているんですよね。

おっしゃるとおりです。アレルギーなどの問題もあるかもしれませんが、魚のアブラはとても健康に良いので、子どもの脳の発達に役に立つと思います。

Q.青魚・鮭・まぐろ・ぶり…どの魚をとると肌に一番良い?

━━続いて40代女性からです。「オメガ3脂肪酸は肌に良いと聞きました。青魚、鮭、まぐろ、ぶりなら、どれをとるのが1番肌に良いでしょうか」。

生存期間が1〜2年間ぐらいの小魚・中魚が、環境汚染の影響をさほど受けていないというメリットがあります。

━━では、青魚、鮭、まぐろ、ぶりから選ぶとすると、青魚の小さいものが良いんでしょうか。

はい。いわし、めざし、あじ、さばなどですね。しらすももちろん良いです。

Q.健康的に揚げ物を調理するためにオススメのアブラは?

━━続いては40代男性からです。「家族全員揚げ物が好きです。少しでも健康的に揚げ物を調理するのにオススメのアブラはありますか。」

揚げ物油、難しいですね。理屈から言うと、米油がオレイン酸が多いので、比較的酸化されづらいと思います。

ですから、揚げ物するのであれば新鮮な米油を使って、風味付けで最後にちょっとごま油を使う、みたいな形が良いと思います。天ぷらが好きな方は、ちゃんとしたお店で召し上がるのが一番安全だと思います。

━━とにかく、酸化したアブラが良くないってことですね。

おっしゃる通りです。酸化したアブラは体の炎症を進める可能性があるので、良くありません。

Q.ダイエットに良いと噂のMCTオイルは、どれくらいとれば良い?

━━続いて20代女性からです。「MCTオイルがダイエットに良いと聞きました。本当ですか。本当ならどのくらいの量・期間摂ればいいですか。」

MCTオイルは消化吸収が早いので、摂りすぎるとお腹が痛くなります。いきなり大さじ2〜3杯を飲むなどは絶対にやめてください。

まずは茶さじ1杯ぐらいから少しずつ始めて、腹痛や下痢にならないような分量をご自身で確認してください。MCTオイルはあくまでもサポート役です。食品にかけて食べて腹持ちを良くさせる目的で使われるとよいと思います。

━━MCTオイルで腹持ちが良くなるんですか。

はい、アブラにはそういう働きがあります。MCTオイルはすぐ腸から吸収されて肝臓でケトン体に変わるので、体のエネルギーとして働いてくれます。そこが普通のアブラとちょっと違うところです。

━━ということは、MCTオイルは運動する前に摂ると良いんでしょうか。

よいと思います。

━━量以外でMCTオイルを摂るときに気を付けたほうが良いことってありますか。

加熱しないことです。煮たり、焼いたりするときは使わないようにしましょう。

━━私、熱いコーヒーの上にちょっと垂らすことがあるんですが、これはどうでしょうか。

その程度なら全然加熱にならないと思います。

Q.オメガ3脂肪酸以外で先生が注目しているアブラは?

━━続いては50代男性からです。「先生がオメガ3脂肪酸以外に最近注目しているアブラはありますか。」

脂溶性の抗酸化物質である「アスタキサンチン」ですね。私は目の健康を守るために、脂溶性のアブラとしてアスタキサンチンを取っています。

また、広い意味で脂質の分類に入るのがビタミンAの仲間で、たとえば目のサプリによく入ってる「ルテイン」というアブラがあります。こういったものは体のサビ止めとして非常に注目されている成分です。

━━先生が摂っているアスタキサンチンやルテインはサプリメントで摂れるんでしょうか。

はい。

━━先生ぐらい高度になってくると、そういうアブラも積極的に摂られるんですね。

高度というか高年齢になってきたので、なんとかして体が錆びないようにしてるわけです。

Q.高齢者の体に良いアブラは?

━━続いては50代女性からです。「高齢者の体に良いアブラは何ですか。母は83歳です。」

やはりオメガ3脂肪酸になりますね。もし魚が嫌いなら、アマニ油やごま油を調理にうまく使っていただくのがよいと思います。

━━私も最近使い始めて思うんですけど、アマニ油もごま油もMCTオイルも、全然クセがないですよね。

ですから、逆に抵抗なく召し上がっていただけると思います。

アブラは「選ぶ」時代!体に良いアブラを積極的に摂ろう

━━質問は以上になります。アブラは選ぶ時代だということがよくわかりましたが、見ている方々に改めてメッセージがありましたらお願いします。

オメガ3脂肪酸は、皆さんの健康を守る礎のような非常に大事な脂肪酸です。日本人は昔からこのアブラを活用して健康長寿を保ってきました。ぜひ魚離れにならないように普段の食生活から見直していただければと思います。

━━健康には青魚、そしていろいろな体に良いアブラを積極的に摂っていくことが大事なんですね。

はい、おっしゃるとおりです。

(『コンディショニングイノベーションLab公式』より抜粋・再構成)


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